gt-24o’s blog

教員として働きながら、学習・交流団体「教師塾」を主宰しています。わかるとできるの違いに注意しながら、思慮深く、大胆に書きます。

不安の中で考え続ける

お盆休みに本を読んでいます。

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「考える教室」 若松英輔

第3章 「働く」ことについてーハンナ・アレント『人間の条件』

アレントは、自らの試みを「最も新しい経験と最も現代的な不安を背景にして、人間の条件を再検討することである」と述べています。ものごとを考えるための要素「不安」というものがあるというのです。

不安を感じるのは、解答が見つからないときです。つまりアレントは、答えがなく揺れ動いているという現実を背景にして自らの哲学を樹立しようとしている。何か確固とした見解や経験を背景にするのではなく、舟が大きく揺れるような不安定な状態で、ものを考え続けていくことが大切だというのです。

仕事を始めて10年が経とうとしています。

これまで出会った不安の種類もいろいろ。

既に規定された範囲内のことをやり切れるかどうかという不安は新たな環境ではつきものでしたが、年数を重ねる毎に減っています。

本書では、

1章はプラトンの「ソクラテスの弁名」から「対話する」ことについて、

2章はデカルトの「方法序説」から「考える」ことについて書かれています。

不安が減ってきている今こそ、

自らや他者に問い、対話し、考え、仮定を作り出し、実行に移そうとすることによって新たな不安が生むチャンスだと読みときました。

 

学校で起こる諸問題は10年経っても変わりません。

それらの諸問題に自分の考えをある程度用意できている状態でもあります。

しかしながら、その考えはその都度、目の前にいる人たちと考えないといけない。

問わないといけない。その人たちとの納得解・妥協点を見つける。

また、問題が吹き飛ぶようなアイディアや仕組みを作らないといけない。

同じようなことでも、都度再考し、一つ一つのことから学びを抽出し、共有し合っていきます。