gt-24o’s blog

教員として働きながら、学習・交流団体「教師塾」を主宰しています。わかるとできるの違いに注意しながら、思慮深く、大胆に書きます。

哲学対話 in 地域資源長屋なかむら

[ 経緯 ]

昨日、12月17日(土)に「地域資源長屋なかむら」を会場に哲学対話を行いました。

今回の哲学対話は、他校の先生をファシリテーターとして寺子屋塾生に参加頂き開催しました。

他校の先生は哲学対話を校内の授業として実施予定+プレ実施中。

私は校内での授業外+学外での実施を経験しており、共同開催しました。

 

[ 哲学対話とは? ]

私が哲学対話が好きになるきっかけの本があります。

梶谷 真司先生著の「考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門」です。

 

過去の哲学対話についての記事。

gt-24o.hatenablog.jp

gt-24o.hatenablog.jp

 

哲学対話は、

参加者でテーマを持ち寄り対話をします。

今回のルールは、

・何を言ってもいい

(何を聞いてもいい・聞かれたことに答えなくていい・聞かれてないことも話していい)

・人を否定したり、茶化したりしない。

・ただ聞いているだけでもいい。

・お互いに問いかけるように心がける。

・知識ではなく、経験に即して話す。

・話がまとまらなくてもいい。

・わからなくなってもいい。

・意見が変わってもいい。

でした。

日常の中、特に職場や学校でのコミュニケーションでは、ルールと反対の価値観がさも当然かのように存在します。

哲学対話の場では、対等性を確保のためこれらのルールを設けます。

 

[ 本日のテーマ ]

参加者の中からのテーマ候補は以下の通りです。

①自由と好き勝手は何がどう違うか?
 ⇨ 学校は自由が制限されている。生徒は自由=好き勝手と捉えがち どう共に考えたらいいだろう?
②いい組織ってどんな組織?
 ⇨会社において、個を尊重するか・役割ありきで考えるか。トップダウンなのかボトムアップなのか。
③安心できる職場・安心できる人間関係と、提供するサービス(仕事)の質と量の関係は両立するのか?
 ⇨働きやすさを確保した上で、クオリティも担保し、お金も得られる組織作り・仕組み?要素?はどんなものか。

④思いやりと自己犠牲のバランスはどのように取ればいいのか?
 ⇨テーマ提案者の所属会社が人手的にしんどい。しかし、違う職に変わりたいが残ってくれと打診を受けている。会社に残る=思いやり?自己犠牲?自分も大切にしたい。思いやりって何?自己犠牲って何?

⑤今日のような場が、今の現実の世の中でどうしたら広がっていくか?
 ⇨対等に関わる・対等に話すことがほとんど難しい世の中で、今日のような場(対等性を確保を目指した場)の雰囲気が広がっていくには?

⑥自らの考えの移り変わりと周りの価値観との差異を埋めて、困らないようにしていくには?

一人2回の投票で、⑤のテーマとなりました。それぞれのテーマに共通点があるように思えました。

 

[ 対話内容 ]

哲学対話では対等性を担保すべくルールを設定します。設定しなければ、対等性が保てないほど、日常のコミュニケーションに対等性が保たれた場は少なく感じています。

家庭や職場で、キャラクター・役職によって、その立場に沿ったコミュニケーションを想像すると、どれくらい対等にやり取りしているでしょうか。

多くの時間を過ごす場(職場・家庭)で、対等性の保たれた(本音が出せる)コミュニケーションがどうやったら広がっていくのか?

というのが今回のテーマでした。

 

参加者それぞれが自らの日常現場の様子と、対等性を感じる場面・対等性を作り出すための取り組みを共有しました。

組織の中では、それぞれが役割に徹しているがゆえに、対等性が担保されにくく、タスクが多ければそれを終えるためだけのコミュニケーションに終始しがち。

その中でも、少ない時間や限られた(組織の中の)コミュニティでは、お互いの価値観を共有できることも確認し合いました。

上記のように偶発的に、組織の中で対等性のあるやり取りが生まれる。

このやり取りの全てを計算して起こせないしても、起きやすい環境を整えることはできる(計画)のではという話がされました。

https://jinjibu.jp/keyword/detl/974/

内容はキャリア形成についてですが、今回のテーマについてのヒントになる要素もありそうです。

 

[ 振り返り ]

今回の対話では、たまたまテーマについてのヒントとなる考え方までが共有される形となりました。しかし、哲学対話における”哲学”とは、上記紹介本の中では、「問い、考え、語り、聞くこと」です。

ルールを設定した対話自体に魅力があり、その場に集まった人によって、対話の目的や方向性が変わります。テーマは抽象的でも・具体的でもOK。ただ、具体的に問えていればいるほど、その答えはすでに考えられ、本になっていたりすることもあります。

哲学対話では、自分でも何にモヤモヤしているか分からないし、みんながどう考えているのか気になる!なんてこともテーマに選ばれます。

私自身のモヤモヤも少し晴れて、新たなモヤモヤと少しばかりの具体策が見えてきました。

また企画したい考えています。

 

[ 最後に ]

井上淳之典さんに会場確保の協力をして頂きました。ありがとうございました。

井上さんが主宰する寺子屋塾URL https://terakoya-juku.com/

木田さんとのご縁を繋げてくれたのはひらけエデュケーションの若杉 逸平さんです。ありがとうございました。

ひらけエデュケーションHP http://hirake-edu.com/corporate.html

会場:地域資源長屋なかむらURL http://www.sr-com.org/index.html