一月毎に課題本を設定することにし、1月が終わりました。
今月の本の振り返りをします。
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わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)
- 作者: 平田オリザ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/10/18
- メディア: 新書
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基本は著者二人の対談形式で書かれていますが、
平田さんのみ、北川さんのみのコラムも章の間に書かれています。
気になった部分を数カ所引用し、通読後の感想を書いてみます。
序章 教え込むことの誘惑
価値観の押し付けに無防備な日本人
中略
北川
価値観の押しつけあいには敏感にならなければいけないんです。相手がぱーんと押しつけてきたら、それをぱーんと跳ね返す。冷静かつ論理的に、いやみたらしく言い返すのが効果的です。相手が戦略的に押しつけてきた場合には、むしろそうしたほうがものごとはスムーズに運ぶんです。ただ、日本人の繊細な美意識は、こういう険悪なやりとりに耐えられない。精神的にも、体力的にももたない。様々な価値観をぶつけ合うような教育をしていないので、あまりに無防備なんですね。
私ごとですが、先日、引越しの契約を行いました。
その際、仲介手数料に納得できず、見積書をもらい他店舗とも交渉しました。
結果として、メールを5、6通やりとりだけで、20%ほどに抑えることができました。
「仲介手数料は1ヶ月分の家賃が相場です。」
という言葉に対して、
お金について何かと意見するのは、がめついイメージがあるかもしれません。
しかし、
その人はこれから関係を築いていく人なのか?
それとも、
契約を行うために働いてる人なのか?
言葉にすればとすぐわかります。
しかし、目の前の人にどう思われるのか?
という気持ちが先走ると、言いたいことが言えないこともあるだろうなと。
自分と相手の立場を考えながら、感情を入れない合理的で論理的な交渉の土台に乗れないのは危険なんだなと。
意見を通そうとするときに、怒りを利用してしまう人にも淡々と振る舞うことが大切なのだろうと想像ができます。
関係を築くための対話なのか、
お互いの利害を明確にする交渉なのか。
この二つを分けた上で、
対話に交渉的要素を、交渉に対話的要素を少しずつ入れていくイメージを持てたらいいなぁ思います。
おわり