私は今年から、陸上部の顧問をやらせて頂いている。
陸上部にはルールがある。
「全て自分で決める。」
目標、日程、出欠、練習メニュー&量など全てを子どもたちで決めている。
そこに全面バックアップを誓う西尾という大人が子どもたちの輪の中にいる構図になっている。
私は求められなければ、与えることはない。
1部員に大人がいる。だから意見も、1意見に過ぎない。
でも大人なので、
短距離の練習メニューを知ってるだけくださいと言われたときは本読みまくり、ラミネート。
体幹トレーニングメニューもどっさり。
練習日程を作ってください。
ハイハイただいまExcelで。
部費はどうなっていますか?
ハイハイ、今年の予算はこれだけです。
陸上競技場で練習がしたいです。
はい出張届ーーー!
先生、草刈りをお願いします。
ハイハイ3時間ー!笑
先生、タータン(陸上競技場のゴムっぽいの)が欲しいです。
すまん、俺のボーナスでも買えない・・・
etc...
主体的に部活動の環境を向上させよう、俺たちではわからないから先生に聞いてみようという彼らの姿勢には日々、驚かされています。
最初は、
「どうすればよいですか?」
「練習メニューをください。怒」と言われた。
そこで初めて、子どもたちが考えることが始まるし、私は彼らに問を立てることが出来た。
「どうしたいの?どうなりたいの?陸上部に時間を割く目的は?」
「短距離?長距離?フィジカル?ラン?どの大会に標準を合わせるか?etc...」
子どもたちは部活動に来ても来なくても、何も言われない。
そりゃそうだ。部活動はやりたい人がやればいいんだから。
速くなりたい、遠くへ飛びたい、飛ばしたい。
そして、過去の自分を少しでも超えたい。
そんな想いのある人間だけが残った。
部員総数の1/4ほどがほぼ毎日、参加している。
3/4もたまに来る。でもたまに来れる場所になっていることも私は嬉しい。
頑張る人=正しい・良い、頑張らない人=良くない・努力不足
という価値観は大人になってから、彼らを苦しめてしまう気がする。
頑張るも頑張らないも自由。
その中で、自らの意思で、毎日、走っている彼らを見ていると、感動する。
決して速くない。でも秒数は少しずつ縮まっている。
子「先生、今週で、0.4秒縮まりました。」
西「うん。いいね。次の課題は?」
子「後半のスピードの維持ですね。」
西「そっか。いいね。」
自分との約束を守り、実践する。
これは本当に難しいことだ。
それをたんたんと当たり前のように、行う彼らには私も学ぶべきものがある。
私は彼らが、日々の部活動を行うための場づくりを行っている。
はたから見たらただの場づくりかもしれないけど、私は彼らの姿を見れるだけで、感謝でいっぱいだ。
これが、貢献感なのかな。